和歌山市議会の令和元年6月定例会が開催され、重要な議題が取り上げられた。
市議会では、有吉佐和子邸の移築を含む文化施策に関する議論が行われた。一般質問を通じて、議員が市長に対し、文化施策の進行方法や有吉氏の顕彰の意義についてさまざまな観点から意見を述べた。
山田誠章議員は、蛍の鑑賞会に参加した際の感想から議論を展開し、文化施策の意義を強調した。有吉佐和子邸の移築計画について、過去の予算審議で提示された内容に対して疑問を示し、特に計画におけるコンセプトや目的について問うた。
佐伯議員は「この事業には魂が必要だ」とし、和歌山市が有吉氏を文化の発信源としてどのように顕彰するのかを問うた。有吉邸の復元については、復元そのものだけではなく、広く市民にその価値を伝える施策が欠かせないと訴えた。市長は、復元計画は大規模ではないため手順を省略したと説明したが、議員たちからはその認識に対する懸念が示された。
さらに、佐伯議員は市民が有吉氏の作品を知ることの重要性を指摘し、有吉作品を通じて伝えられる文化的メッセージの普遍性を強調した。この復元プロジェクトは、市の文化を発信するための重要な一歩となるか、ただのイベントにとどまるのか、はっきりとした方針が必要であると呼びかけた。
市長は、有吉佐和子氏の文化的な意義を認識し、今後も市民に向けた文化発信を行う必要性を訴えた。しかし、議員たちは具体的施策が不明確であったり、有吉氏を顕彰する意義が薄いのではないかという疑念を持ち続けた。