令和5年6月28日、和歌山市議会では学童保育と自衛官募集に関する質疑が行われた。
特に学童保育に関しては、待機児童問題が深刻化している。市の担当者は、待機児童の定義を示し、過去3年の待機児童数は増加傾向にあると述べ、今年は191人に達したと報告した。指導員の確保が難しい中、空き教室を使用する案や学校外施設の活用を検討しているが、具体策が示されていない点が課題として浮上している。
坂口多美子議員は、現状を厳しく指摘し、待機児童数の解消には駅近の学校外施設を活用すべきだと主張した。また、民間委託は保護者の期待に反しているとの声も紹介した。市は賃金の引き上げを進めており、指導員の待遇改善も必要と認識しているが、国の支援策を活用する予定がないとの発言もあった。
市長は、待機児童解消に向けた決意を表明したが、実行可能な具体策は示されなかった。そして、自衛官募集の名簿提供についても質疑があり、行政が市民情報を如何に扱うか、民間への情報連携における市民の意思尊重について多様な意見が交わされた。坂口議員は、自衛隊からの情報提供に対して市民の意向を反映させる透明性を求めた。市長は、この問題について市民への周知を進め、今後の施策を見直す考えを示した。
このような質疑を通じて、和歌山市は子育てや自衛官募集に関する課題、またそれに伴う市民の意見を傾聴し、行動に移すべきであるとの意見が強調された。