令和3年6月10日、和歌山市議会の定例会が開催され、一般質問が行われた。
議題では、井本有一議員がSDGs(持続可能な開発目標)について取り上げ、その意義を問いかけた。井本議員は、SDGsが貧困削減を目指す国際的な枠組みであることを強調し、市として2030年の目標達成に向けた取り組みについて市長に見解を尋ねた。
尾花市長は、和歌山市が2019年にSDGs未来都市に認定されたことに言及し、6つの優先目標を設定していることを説明した。「リノベーションによるまちづくりや持続可能な地域の確保に努めている」と述べ、地域資源を生かす施策を展開していく意向を示した。
一方で、井本議員は「生活保護行政」も質問し、新型コロナウイルスの影響による相談件数の増加について言及した。彼は、前年に比べ申請件数の増加が鈍いことを指摘。特に、相談件数は670件から980件に増加したのに対し、申請件数は796件から846件にとどまったことに対し疑問を呈した。令和2年度の相談は増えたが、実際の支援がどうなっているのか、さらに市の取り組みを強く求めた。
松村光一郎福祉局長はこの質問に回答し、生活保護相談件数の増加は、各種支援策が周知されたことが影響していると説明した。また、訪問頻度の減少については、昨今のコロナ禍を踏まえ、電話で居住状況の確認を行っていると述べた。
さらに、井本議員は生活保護受給世帯へのエアコン設置についても言及。猛暑への対応として、エアコンの重要性を訴えた。松村局長は、設置率94.3%を示しつつも、未設置世帯への対応強化を約束した。これにより、1500世帯のうち、400以上が未設置であるとして、対応策を考慮する考えを示した。
この一般質問の後、山本忠相議員も登壇し、市の財政状況と新型コロナウイルス対策について質問を続けた。普段の活動が困難な中で、地域経済の復活を求め、時短要請とその補償の乏しさに言及した。
双方の質疑応答を通じ、市が抱える課題が明確化され、さらなる施策の重要性が浮き彫りとなった。このように、議会の活動は市民の生活に直結しており、その動向が注視される。