6月15日に開かれた和歌山市議会では、待機児童の現状やコロナ禍での保育行政への影響についての議論が行われた。議員からは、待機児童が前年より増加していることに対し、さらなる対策が求められた。
待機児童の現状について、松村福祉局長は4月時点で29人の待機児童がいると報告。解消に向けた取り組みが続けられているが、保育士不足が大きな課題であると認識されている。保育士の処遇改善が求められる中、同局長は、子どもたちに安定した保育を提供するための環境整備に努める意向を示した。
議員からの質問では、保育士が別々の保育施設に入っている兄弟姉妹の状況についても指摘された。松村局長は、できるだけ同一の施設に入所できるように配慮していると答えつつ、現状の課題を受け止めていると強調した。
また、コロナ禍において新型コロナウイルス感染症の影響で休園の混乱が生じたが、対策を講じながら、感染症への意識も高めているとの報告もあった。議員の一人は、感染症対策が保育士の業務に新たな負担を加えていることに懸念を示し、保育士の処遇改善も重点課題であるとした。
さらに、中村議員は私立保育所や認定こども園における正規雇用の拡大や処遇改善の重要性について訴え、保護者へのニーズ調査や希望施設への入所についても詳細に踏み込んだ議論を展開した。全体的には待機児童問題の解決に向けて、柔軟な対応や政策の見直しが急務であるとの意見が強く表れた。
市長は、公会計化の重要性について言及し、将来的には公営企業の安定した運営に向けた継続的な取り組みが必要であるとした。議会では、今後の待機児童対策や感染症への対応に加え、保育士の環境整備についての具体的な施策が期待される。