令和2年9月17日、和歌山市議会は定例会を開催し、議員の質問に対する回答が行われた。
主な議題は、坂口多美子氏による子ども医療費助成制度の拡充についての質問であった。坂口氏は、現在の制度が所得制限を設けていることに対して、「全国の中核市のうち、和歌山市だけが制限を設けているのは不適切」と強調し、所得制限の撤廃を求めた。これに対し、福祉局長の宮崎久氏は、制度の目的が子どもの健康保持であり、限られた財源内で運営するために所得制限が必要であると述べた。さらに、現時点で制度を受けられない約4,100人の家庭の実態についても触れ、市の財政負担についての懸念が示された。
次に、南畑幸代氏が提起したのは、生活保護世帯へのエアコン設置に関する問題である。彼女は、猛暑の中で生活保護世帯が熱中症にかかる事例を挙げ、「エアコンは最低限の生活維持に必要」と訴えた。宮崎氏は、制度の周知や運用の見直しが必要であると認識を示しながらも、独自の補助制度には消極的であり、国への要望を行う方針を提示した。
そのほか、代替施設の活用やコロナ禍における避難所の運営改善、特に女性の視点を反映させた防災対策が求められた。南畑氏は、女性の視点を重視し、女性の委員の増員や多様な要配慮者が快適に避難できる環境作りが重要であると述べた。
市長の尾花正啓氏は、近年の災害状況を考慮し、早急な対策を講じる必要性を強調した。このような議論を通じて、和歌山市は地域社会のニーズに合わせた支援策を今後も整備していく姿勢を示したといえる。