和歌山市議会の令和3年2月定例会が開催された。
議会では、様々な議案や意見書案が議題となり、活発な議論が行われた。特に議案第37号の令和3年度和歌山市一般会計予算が焦点となり、多くの議員が意見を述べた。
新型コロナウイルス感染症の影響下で、十分な市民福祉を実現するための予算組替えを求める声が多く聞かれた。森下佐知子市議は「市民生活が困窮する中で市税の使い道の見直しが急務である」と強調した。この予算案に対して、彼女は具体的な減額案を示した上で、医療への支援を強化することを提案している。
一方で中谷謙二市議は、個人番号通知書・マイナンバーカード関連の予算について、「国の施策に基づく重要な予算であり、必要な支出である」と述べ、組替えには反対の立場を表明した。
また、発議第2号に関しては、尖閣諸島周辺海域での中国公船による漁船追尾問題について、安全確保のため政府への意見書を提出する必要性が語られた。中谷市議は「歴史的にも我が国固有の領土を守るため、断固たる姿勢が求められる」と指摘し、議会の意見を国に届ける必要があると訴えた。
議案採決の結果、令和3年度一般会計予算は各委員長の報告をもとに可決された。他にも、固定資産評価審査委員会委員の選任や、議会規則の改正に関する案も可決された。
会議は円滑に進行し、最後に井上議長からの閉会の挨拶があった。議長は、市政発展に向けた市議員の努力を称え、これからの活動に期待を寄せる発言を行った。