令和5年9月、御坊市議会定例会が開催され、市の教育や防災に関する重要な問いかけが相次いだ。
特に、楠本香織議員は太陽光発電設備に関する防災上の懸念を示した。議員は急斜面に設置されたパネルが引き起こす危険性について質問し、市が過去5年間における設置件数を把握しているか尋ねた。これに対し、企画課長の山崎真也氏は、50キロワット以上の設備が過去5年間で2件設置されたことを報告した。さらに、楠本議員は市が太陽光発電設備の管理責任についてどのように考えているのかを問うた。これに対し、防災対策課の東信行課長は、市が介入できる範囲について説明した。
また、農業分野におけるドローン活用についても議論があった。楠本香織議員はドローンの導入が人手不足解消や食料自給率向上に資するとの見解を示し、市の取り組みについて問いかけた。農林水産課の前田和久課長は、ドローン活用による効率化の重要性を認めつつ、現在進めている補助制度についても触れた。彼の答弁からは、時代遅れの農業から次世代への移行が期待されていることがわかる。
さらに、学童保育の充実についても話題に上がった。現状では、名田小学校区には学童が設置されておらず、他校区に通う児童が多いことに対する対策が求められた。楠本議員は、他校区に通っている児童数を数字で示し、その実情を説明した。社会福祉課の桶谷直弘課長は、学童保育所の設置については現状の受け入れ能力を考慮すると難しいとの認識を示しつつ、今後の動向を注視していると述べた。
今回の議会では、また新たに和歌山県沖の洋上風力発電事業計画も取り上げられた。この計画に対する市の意見や懸念が表明され、住民説明会等で丁寧な情報提供を行うことが求められた。今後、このプロジェクトが地域にどのような影響を及ぼすか、全国的に注目が集まる。
総じて、今回の定例会では市民の安全や教育環境向上について多くの意見が交わされ、御坊市の未来に向けた重要な礎が築かれることが期待されている。