令和5年6月20日、御坊市議会の定例会が開催され、本会議ではさまざまな議題が取り上げられた。特に関心を集めたのは、近年の気候変動による異常気象に関する言及や市民の安全と健康に関わる問題である。
初めに、小澤俊和議員が行った一般質問では、最近の大雨による災害避難について取り上げられた。小澤議員は、災害時の避難所の機能と安全性、特に高齢者への配慮が必要であると述べた。具体的には、「避難経路において70歳以上の高齢者が安全に避難できるような取り組みが必要である」と強調し、避難所の数や福祉避難所の導入に関しての質問をした。
防災対策課長の東信行氏は、「御坊市には53か所の避難所があり、そのうち37か所は風水害、地震、津波の全てに対応可能である。福祉避難所としての機能を持つのは4か所で、さらに異なる条件下での避難施設についても整備を進めていく考えである」と答えた。
次に、村上宗隆議員が新庁舎建設に関する質問を行った。村上議員は、新庁舎の進捗状況や予算についても尋ねた。財政課長の福居利章氏は「新庁舎は現在工事が順調に進んでおり、竣工予定は10月を見込んでいる」と回答した。また、環境配慮には特に留意しているとのことだ。
さらに、宮路雅仁議員は、学校給食に関する問題について質問した。特に、今後考えられる昆虫食の導入に対し、慎重な姿勢で臨むべきと訴えた。教育総務課長の辻村一彦氏は「給食の安心安全を担保するため、食材選定に留意している」と表明した。
一方、松本隆史議員は、自衛隊への名簿提出と公立中学校の体育館の空調設備整備について質問した。市元年から提供された名簿の内容や、空調整備に関する具体的な計画についての打診もあった。それを受けて、総務部長の仮家基浩氏は「防衛省からの要請に応じて名簿を提供している」と応じ、体育館の空調整備についても「すみやかに対応していく」と述べた。
そして、最後に小川春美議員が、自衛隊に関する軍事的懸念を訴えるなど、健全な市民活動の推進と住みやすい環境づくりが市の重要課題であることを強調した。市長の三浦源吾氏は「市民が、安全で健康的に暮らせるよう対策を講じていく」と述べ、議会での議論を重んじる姿勢を示した。このように、本定例会では市民の声が直接議題に反映され、それぞれの議員が持つ視点からの多角的な意見交換が行われた。今後の施策に可視化できることが期待される。