令和4年第3回小山市議会定例会では、幅広い市政に関する質問が行われた。
特に注目を集めたのが不妊治療の保険適用拡大に関する議論である。市では、かねてより不妊治療の助成制度を設けており、経済的負担軽減のための支援を行っている。新たに保険が適用されることで、患者は自己負担を3割に抑えることが可能になり、高額療養費制度も活用できる。これは、長年苦しむ多くの夫妻にとって大きな希望になると期待されている。市の助成制度も引き続き継続されるべきとの意見も強く示された。
また、特別養護老人ホームの入所状況についても言及された。令和3年の記録によると、入所待機者は46人にまで減少しており、地域密着型の新たな特別養護老人ホームの整備も進められている。小山市では、健康で文化的な生活の確保を目的に、住民のニーズに応じた高齢者施設の整備を進めていることが強調された。
さらに、保育所や認定こども園に関する質疑も見られ、特に待機児童の問題が厳しく取り上げられた。市内ではこども園や保育施設への申込者数が年々増加しており、特定の保育施設を希望する潜在的待機児童も報告された。市は引き続き保育士の確保に力を入れる方針を示しており、保護者が抱える負担軽減にも努める意向である。
市営住宅に関しては、保証人が見つからず困っている住民からの声が寄せられた。市では条例に基づき、特別な事情のある場合には保証人を必要としない運用を行っているが、今後増加が予想される高齢者への配慮が求められている。市は住民が安心して住まいを確保できるよう取り組む意義を強調した。
交通安全についても議論があり、子供たちの自転車利用の安全確保に対する取り組みが継続されることが確認された。特に、高校生に対しても適切な運転指導が必要との意見が出た。市では、県と連携しながら啓発活動を行うなど、事故防止に向けた施策を実施している。