令和5年3月8日に行われた足利市議会の定例会では、広範な議題が取り上げられた。
まず、早川尚秀市長は、令和5年度予算案が新型コロナウイルス対策と共に、少子化や公共施設の老朽化問題などを含む重要課題に対応していると述べた。特に、少子化対策には独自の出産祝い金の創設や、子育て世代の支援を含む施策が強調された。
質疑応答では、須田瑞穂議員が、市長に予算の特徴や施策への取り組みについて詳しく説明を求めた。市長は、産業団地の開発やデジタルトランスフォーメーション推進が優先事項として位置づけられていると述べた。特に、あがた駅北産業団地の早期完成に向けた計画が進行中であり、企業誘致に力を入れる方針が強調された。
また、市長は観光施策も重要視している。足利灯り物語や夜景サミットへの誘致が進行中であり、これにより観光客の増加を見込んでいる。この取り組みは、足利市の歴史的資源を基にした観光戦略の一環である。
さらに、講演の中で、桜並木の保存に関する意見交換会の結果も報告された。桜の伐採決定に伴い市民の間で意見が分かれる中、地元自治会と共同で今後の維持管理についての方針を協議する必要性が述べられた。特に、桜小学校に由来する桜は地域の重要な資源であることを強調し、今後の保存策について再度の検討が求められている。
再編中の公共施設も集中議論された。特に、新斎場や新クリーンセンターの整備に向けて、費用の平準化を図る方策が求められた。市の財政状況を鑑みながら、持続可能な運営を図るポイントとして議論された。
この会議で確認された点は、少子化や高齢化などの社会課題への対応、経済の活性化、一方で財政の健全化である。市長は今後の考えとして、内部組織の連携強化や、民間とのパートナーシップの活用が重要であり、地域の課題解決に共同で取り組む姿勢を示した。また、市民からの意見を反映させた施策推進が求められている。