令和3年6月熱海市議会定例会では、観光振興条例を含む様々な議案が検討された。特に熱海市観光振興条例は、地域における観光の振興に向けた重要な施策と位置付けられ、市民生活の向上を図るための基本理念を定めている。各議員からは条例の意義や市民の協力が求められることに対して多くの意見が寄せられた。その中で、後藤雄一議員は、災害弱者の避難支援強化や高齢者の肺炎球菌ワクチン接種に関する助成制度について質問を展開。特に、肺炎球菌ワクチンの接種には、市が無料接種を検討することを提案した。また、観光シーズンにおける交通安全対策も重要なテーマとなった。市長の答弁では、観光業を支える交通渋滞対策や対策の徹底が求められる旨が言及された。
また、田中秀宝議員は、熱海市観光振興条例に関連する質疑や、宿泊客数の予測についても取り上げ、将来的な施策について議論が交わされた。特に、花火大会の公営化や観光協会との関係についての疑問が指摘された。さらに、泉明寺議員からは、地域コミュニティの支援や防災意識の向上について、行政がどのように取り組むかへの質問があった。市長は、コロナ禍による業務の影響や職員に対する配慮が必要であるとの認識を示しつつ、経済回復に向けた施策への取り組みを強調した。
一方、米山秀夫議員からは、観光振興条例が市民の要望や現場の意見を反映すべきとの意見があり、観光事業者の声を積極的に聞くべきだと述べた。議会内では、観光振興の重要性と、市民生活とのバランスをどう取るかが主なテーマとなり、議員たちの強い関心が見受けられた。最終的に、議案の審査は各常任委員会に付託される方針となった。