令和6年3月に開催された伊豆の国市議会では、採択された予算に基づき今後の市政について議論が交わされた。特に市内産業の振興や新しい文化施設の整備が、市民の関心を集める重要課題となっている。
市長は市内経済の現状について、特に中小零細企業の厳しい財政状況を指摘した。人件費や原材料の高騰により、経営が困難な業者が増加しているため、市が支援する経済振興策を強化する必要があると強調した。具体的には、農林業振興や観光振興に関する事業費を予算に盛り込んでおり、今後の運営についても見直しを進める方針である。一方で、伊豆保健医療センターの新病院については、医療体制に関わる重要課題であり、市は地域医療の確保に注力している。
また、公共施設の統廃合に関する議論では、合併から19年が経過し、利用状況の変化に基づく再配置を進める必要性が指摘された。市の目標である25%の延べ床面積削減についても、達成可能性が問われる中、今後の財政規律を守るためには新たな見直しが不可欠であるとされる。市は、特に文化財関連事業に多くの財源を投資していることから、今後の財政状況を鑑みたうえで市価値を高めるための施策を検討する意義が求められている。
文化財展示施設の建設に関しては、市長が新たに掲げた方針は明確であり、これまでは長年続いてきた博物館構想が少々見送りになっているが、市として展示に特化した施設の建設は、様々な市民の要望に応えるものである。展示物の具体的な選定は未定だが、収蔵や研究機能を持たないことから、展示のクオリティに疑問の声も上がっている。
道の駅「伊豆のへそ」では、公共的な役割を果たすために運営管理業務負担金が財政に計上された。これに関して市長は、道の駅の運営が市民利用者の利便性に直結する重要な機能であり、ここでも運営の透明性を求められている。市は今後、道の駅のさらなる発展とともに地域経済へ貢献するための手段を追求し続けるとした。
全体として、伊豆の国市は様々な課題を抱える中で、行政の透明性を保ちながら市民と共に、地域の発展を目指す未来志向の政策を進める必要性があるとの結論に達した。