熱海市は令和5年2月21日に定例会を開催し、令和5年度の一般会計予算案などが審議された。市長の齊藤栄氏は施政方針を述べ、伊豆山土石流災害からの復旧や新型コロナウイルスへの対応が重要な課題と指摘した。
特に注目されるのは、一般会計予算が202億4,100万円に設定されている点で、前年度比3.0%の増加となる見込みである。この予算は、災害復旧を最優先にしつつ、コロナ禍の影響を受けた市民の生活支援を行う目的がある。
市長は「災害復興、感染症対策、物価高騰への対応が急務である」と述べ、具体的な施策には生活再建支援や災害安定的な基盤整備を含める計画を強調した。また、観光面でも「熱海2030ビジョン」に基づく持続可能な観光施策を講じ、地域経済を活性化させる意向が示された。
さらに、伊豆山土石流災害に関しては、行方不明者の捜索活動の重要性が取り上げられ、改めてその教訓を次に生かす方針を示した。特に、被災者の住宅再建に向けた支援を前面に出し、生活再建や避難者支援が計画中である。
議案には、国民健康保険事業特別会計や介護保険事業特別会計の予算案も含まれ、こちらの予算は117億5,640万円となり、過去の年度に対しても増加している。市長はこれにより高齢者や障がい者支援の充実を図る考えを明らかにした。また、温泉事業や水道事業などの公営企業会計も含めた31件の議案を一括で審議する予定だとした。
市長の説明を終え、議会はここから本格的な審議に入ることになる。新年度に向けた様々な議案が市議会で議論される見通しであり、地域の福祉や観光業の向上に向けた施策が重要視されている。