令和3年2月24日、熱海市議会が定例会を開催し、数多くの議題が上程された。
特に注目されるのは、令和3年度の熱海市一般会計予算である。市長、齊藤栄氏は、予算案の規模を180億300万円とし、前年度比で3.4%の減少であると提示した。新型コロナウイルスの影響を受け、厳しい財政状況が続いている中、「ピンチをチャンスに変える」方針で進められている。本市は、経済の持続的発展と市民生活の向上に努めることを強調した。
市長は、観光業が市の経済の重要な部分を担っていると認識しており、さらなる観光振興に向けた施策が求められている。特に、令和4年に放映される大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をさまざまなプロモーションに活かし、熱海の観光地としての地位を高める必要性を訴えた。特に観光業への支援策や新しい観光地像の模索が重要との見解を示した。
疫病の影響で宿泊客が200万人を割り込んでいる現状を踏まえ、観光復活のための方策が必要であると述べた。また、ウィズコロナの新しい生活様式に合わせた地域振興、産業振興の必要も訴えた。
予算書によれば、観光振興に必要な経費が盛り込まれており、温泉事業の発展を通じた地域活性化が狙いだ。特に、熱海温泉の価値を再確認し、観光や宿泊サービスを強化する方策が期待されている。市長は、今後も市民とともに協力し、困難な状況を乗り越えて行く決意を語った。
また、令和2年度の一般会計補正予算についても報告された。新型コロナウイルスの感染拡大対策が優先され、特に医療関係者や自営業者への支援が強調されている。財政調整基金からの繰入金や消費喚起対策も含まれており、多方面からの対策が検討されている。
現在の熱海市はデジタル化やICTの導入進展にも注力しており、住民に対してマイナンバーカードの取得拡大を図るように働きかけている。新型コロナの影響で変わりつつある市民サービスのあり方が求められている。
会議の終盤では、熱海市名誉市民の称号が文化勲章を受賞した橋田壽賀子氏に贈呈されることが決定し、参加した議員たちから拍手が送り出された。新年度へ向けて熱海市の明るい展望が期待されている。