令和3年2月、熱海市議会で開催された定例会では、さまざまな議案が審議された。その中で、多くの議員がコロナ禍における市民生活や経済への影響について懸念を示した。特に、米山秀夫議員は議案第1号の一般会計予算に関して、職員給与費の増加に対する説明を求めた。その中で、副市長を2名体制に増やすことによって人件費が増大する旨を指摘し、議論の焦点となった。米山議員は、コロナ禍の影響を受けた市民の生活を守るために、人件費を抑え、支援策を強化すべきだと強調した。
次に、後藤雄一議員は、コロナ禍からの経済回復に向けた支援策を訴えた。特に、避難行動要支援者への支援について、避難行動支援名簿の活用状況と課題を問いかけ、さらなる施策の強化を求めた。災害時におけるドローンの活用についても提案し、その重要性をアピールした。ドローンの導入によって、救助活動の効率化が期待され、特に山林地域での防災・救助活動においてその利点を発揮することができると述べた。
また、田中秀宝議員は、来宮浄水場再整備事業の巨額予算に懸念を示し、低コストでも機能する紫外線照射方式の見直しを提案した。この決定が市民への負担を抑えるとともに、財政面でも配慮を求める意見があった。
さらに、泉明寺みずほ議員は、子供たちの自己肯定感や社会的スキルについて言及し、教育環境の充実を訴えた。特にコロナ禍において子どもたちの心理的な配慮が必要である点に訴えかけ、今後の支援策の充実を求める意見が目立った。
そして、最後に小坂幸枝議員は、生活保護について申請者の心理的な壁について述べた。生活保護を受けることに対する社会的な偏見や、扶養照会の厳しさから申請をためらう人々の心情を理解し、制度そのものへの理解を深める必要があると訴えた。
全体を通して、コロナ禍における市民生活の厳しさと、それに対する行政の支援策の充実が求められる内容であった。議員たちは市民のための視点を持ち、これまでの施策の見直しや新たな施策の導入を強く求めていく姿勢を示した。熱海市がこれから如何に課題に対処していくか、議会の動向に注目が集まる。