松江市は令和4年11月定例会で、様々な施策に関する質問が活発に行われた。特に新しい公共交通手段として注目されるAIデマンドバスの運行について、議員たちはその導入と運用についての見解を求めた。市は、来年度から八束町、美保関町、境港市で運行を開始し、まずは要件を満たす地域での実施を通じて課題を見出す考えを強調した。
また、スクールバスとの兼用についても議論が交わされた。特に、松江では高齢者の通院を目的とした運行とスクールバスの時間の調整が必要であり、利便性向上のための検討を行う姿勢を示している。次に、自転車安全利用についての議論も行われた。来年から全ての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務が課せられることが決まっており、これに対する市の対応策や自転車保険の加入促進に関する質問がなされた。市は、関係機関と連携し、啓発活動を強化する方針を明らかにした。
持続可能な航空燃料(SAF)についても、企業の積極的な参入が期待される中、松江市は廃食油のリサイクルを通じて、環境保全と二酸化炭素排出削減に寄与していく意向を示した。さらに、出産育児一時金の引上げの検討が市の政策として重要視されており、これに対する市の方針が求められた。市は多様な支援を通じて市民の安心を優先して考える姿勢を強調した。
グリーフケアや心理的支援の充実についても言及され、松江市が被害者の状況を把握し、適切な支援が行えるよう努めていることが再確認された。さらに、保健師の役割に関しても業務への負担が多岐にわたる中、効果的な支援が行われることの重要性が強調され、再評価の必要性が指摘された。
財政面では、将来の負担と現在の市民サービスとのバランスが重要であり、重点的に取組むべきという意見が多数上がった。特に、物価高騰の中での地方消費税交付金の活用を通じた消費者への還元についても、より積極的に行動することが求められた。
また、松江市では人口減少対策を見直すとともに、地域の観光振興策についても新たな取り組みが急務であると認識され、これを機に市のビジョンと行動を積極的に打ち出していく必要性が唱えられた。全体的に、松江市では市民との対話を重視し、市政への参画を促す姿勢が強調された。