令和2年第4回松江市議会では、新庁舎建設事業に関する住民投票条例案が審議され、議論が展開された。市民の関心が高まり、その声を尊重することが求められた。
住民投票条例案では、「新庁舎建設事業は中断し、住民との対話、討論をふまえて再考する」という選択肢が示されたが、市長の松浦正敬氏は住民投票を実施する必要はないと強調した。市長は、条例案の内容とこれまでの経緯を踏まえ、現行計画を進める必要性を訴えた。
15番の野津直嗣議員は住民投票の意義とその理由について質疑し、条例の内容に関する具体的な定義について疑問を呈した。市長は住民の意思確認について、「いわゆる間接民主制の補完」と位置づけた。ただし、投票の結果が市政に反映されることが前提であり、過去に市民との対話がなされてきたことも強調された。
また、議会の中では市民の理解を促進するための努力が求められたが、広報活動の不足についても指摘された。市民との合意形成の重要性が再認識され、今後の市の広報活動や住民説明会の充実が求められている。市長は、説明会を通じた情報発信に加え、出前講座など多様な手段で市民への丁寧な説明を行う考えを示した。
このように、松江市の新庁舎建設計画は、市民の声をどう反映させるかが今後の課題となっている。住民投票の実施に向けては、市民の意識と関心を高めるための広報戦略が重要であり、それは市政の透明性と民主的なプロセスに寄与することが期待される。市長は今後も意見を広く募り、市民と行政が一丸となって前進する必要があると述べた。