令和5年度第3回松江市議会定例会が開催され、質疑応答が活発に行われた。議会では市政に対するさまざまな課題が指摘され、今後の取り組みに期待が寄せられている。
まず、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への引き下げについて、川島光雅議員が質問した。上定昭仁市長は、感染状況を市内の医療機関から週1回の定点把握で報告を受けており、最近の患者数が増加傾向にあることを述べた。特に高齢者施設では、感染が発生する可能性が高いことから、集団感染対策には万全を期していると強調した。
次に、少子化対策に関する質問があり、松江市の合計特殊出生率が低下していることに危機感を抱く声が上がった。川島議員は、国の施策に呼応する形で松江市独自の施策を強化していく必要があると提案した。市長は、子ども医療費助成の拡充や育児支援制度の導入など、独自政策を進めていることを明言した。
また、教育行政におけるデジタル化についても言及があった。特に、マイナンバーカードの普及や、AIデマンドバスの導入効果などが強調され、デジタル技術の推進が求められている。上定市長も、マイナンバーシステムのトラブルを防ぐため、予防策を講じる必要性を訴えた。
一畑百貨店の閉店問題については、市民生活への影響を憂慮し、雇用の確保や地元経済への支援策が必要とされている。この問題に対し、市は早急に対策チームを立ち上げ、関係機関との連携を強化する姿勢を示した。
また、中国電力のカルテル問題に関しても議論があり、電気料金の値上げが市民生活に影響を与える可能性があることが指摘され、県や国に対処を求める声が高まっている。最近の国会で中国電力に対し課徴金の命令が下されたことも影響し、地域経済の安定に対する懸念が示された。
教育長は、新庁舎内におけるデジタル施策の取り組みや、AIを活用した教育の重要性についても発言し、住民とのコミュニケーションにも力を入れる必要があると述べた。特に、学校でのマスクの着用状況については、各校によって異なる現状を踏まえ、個人の判断を尊重しつつ、必要な感染症対策を呼びかけていく方針を示した。
松江市では、今後の新型コロナ対策や少子化問題、地域経済の活性化に向けた取り組みを進めていく考えが、議会を通じて表明された。