令和4年第1回松江市議会臨時会が開催され、住民投票条例の制定に関する意見陳述が行われた。
本日の議題は、島根原子力発電所2号機の再稼働に対し、市民の意向を反映させるための住民投票条例の制定に関するものである。その中で、条例制定請求代表者の秋重幸邦氏と岡崎由美子氏が意見を述べた。
秋重氏は、島根原発の再稼働がもたらすリスクについて、福島原発事故を引き合いに出し、安全神話が崩れたことを強調した。原発から30キロ圏内には46万人が住み、万が一の事故発生時には避難の難しさを指摘した。彼は「事業者側の利害や国の方針に従うのではなく、市民一人一人がこの問題を真剣に考えるべきだ」と強調した。
次に登壇した岡崎氏は、住民投票が民主主義の一環であることを述べ、政府のエネルギー政策の影響を受けない形で、市民が自身の意思を伝える機会を持つべきだと述べた。市長が住民投票を反対する理由として、議会での責任ある議論を挙げたことに対して、岡崎氏は「それは市民の意思を軽視するものであり、選挙が争点にならなかったことがそのような負託を与える理由にはならない」と批判した。
この住民投票条例案は、多様な意見が渦巻く原発再稼働問題に対し、市民が直接声を上げる手段として位置付けられている。多くの市民が署名に参加し、約1万1,000人分の意見が集まったという。市民の納得を得るためには、本相談内容の徹底した理解が必要だと訴えた。
議長は、住民の意見を尊重することが重要だと述べ、両代表者に対し感謝の意を表した。本日の会議は、住民の意志がどのように行政に反映されるべきかを考える重要な場となった。議会での審議を経て、今後の動向が注目される。
令和4年第1回松江市議会臨時会は、条例制定の必要性やその議論の場を設けることの重要性を再認識する機会となった。市民の生の声が、政治決定にどう影響を与えるのか、引き続き注視したいところである。