令和3年第5回甲賀市議会の定例会が開催され、市の財政に関わる重要な議案が数多く審議された。中でも、令和2年度の一般会計歳入歳出決算の認定は特に注目を集め、市議会では多くの意見が交わされた。
まず、議案第61号に対する討論では、議員の間で新型コロナウイルスの影響を受けた歳出に対する懸念が示された。例えば、山岡光広議員は、「令和2年度の歳出はコロナ対策に大きく依存しているが、医療体制の強化や予防策がまだ十分でない」と指摘した。特に雑費や無駄の排除が求められ、予算の透明性が強調された。
有名な特別定額給付金は10万円の支給が行われたが、これは一時的な措置に過ぎないと、多くの議員が語っている。白坂萬里子議員は「コロナ禍における経済危機の中で、地方自治体が果たすべき役割について考える必要がある」と主張した。このような意見は多くの議員から賛同を得た。
次に、福祉関連の予算に関する審議も行われた。厚生文教常任委員長の山中修平議員は、国民健康保険特別会計に関する議案について、医療費の負担が増していることを受けて、特に低所得者層への支援の必要性を訴えた。「防ぎようのない医療費の増大が、一般市民への負担感を増している」と発言。これに対しては一部の意見として、過度な課税が市民全体を苦しめているとの反論もあった。
さらに、議案第84号の行政改革大綱に関連し、山岡議員はこの改革が行政効率を追求し過ぎている懸念を表明した。地方自治体の本来の役割を忘れず、住民福祉を最優先にする必要があるとの意見が相次いだ。議論は「効率化」と「住民サービスの質向上」の間で続いた。
市長の岩永裕貴氏は、宙ぶらりんの状況を解決するため、早急な施策の実行を約束した。特定の議案の可決では、市民からの信頼を背景に今後の行政執行に期待感を高める内容であった。市長は「市民の声を大切にし、透明性ある市政を実現する」と強調した。