令和3年第5回甲賀市議会定例会が開催され、議題として多様な経済報告や新型コロナウイルスに関する施策が中心であった。
開会の挨拶では、岩永裕貴市長が東京オリンピックの成功を祝い、コロナ禍の影響や市道や農道の被害に言及し、安全対策への意識を示した。この議会は、今期最後の定例会であり、会議改革の成果も報告された。
また、令和2年度各会計決算の認定を伴う報告も行われた。歳入総額は525億円を超え、多くは新型コロナウイルス対策からの補助金によるもので、歳出も拡大したと言及され、特に国民健康保険特別会計や介護保険関連の支出が目立った。歳入の主な減少は、法人市民税の減少に起因しているが、医療や教育分野での支出は増加傾向にある。
信楽高原鐵道株式会社の経営報告では、新型コロナウイルスの影響が顕著で、利用者数が前年に比べ大幅に減少、経営難に直面している。市長は、支援策や新たな観光企画の検討を提案した。また、報告を行った代表監査委員の山本哲雄氏は、甲賀市の財政健全化について、指標が良好であると評価した。
質疑応答においても、様々な質問が寄せられ、市民活動の促進や経済の回復に向けた施策が求められた。岡田議員がトイレ整備に触れ、日常的な利用者目線での改善策を提起し、建設部長は県との協議を進める意向を示した。また、病院事業会計についても、経営改善の必要性が強調された。医療現場の厳しい状況が伝えられる中、地域に根差した医療提供の重要性が再確認された。
全体を通じて、甲賀市が引き続き市民の生活支援に努めていることが強調された。ただ新型コロナウイルスの影響が続くため、今後の対応が必要とされ、役所と市民の連携が重要であると再確認された。