令和5年3月2日、毛呂山町議会定例会では、町政に対する一般質問が行われた。議員たちは住民生活に密接な関わりを持つ様々な問題について質問し、町側はそれに対して回答を行った。
特に注目されたのは、堀江快治議員によるスマートシティ事業に関する質問だ。堀江氏は、少子高齢化が進む中で町の生産年齢人口が減少しており、これが今後の大きな課題となることを指摘した。さらに、プロジェクトにおける成果が不透明であり、自動運転バス事業の頓挫によって住民に失望を与えたとの認識を示した。堀江氏は、町が掲げるスマートシティ事業の具体的な成果について具体的な説明を求めた。
これに対して、山口貴尚まちづくり整備課長は、技術的には成功を収めているものの、運営や経済性の課題が残っていると説明した。特に、自動運転バスについては、実証実験が行われていたものの、コスト面から実運行が困難になっている点を強調した。さらに、町内業者による実証実験は行ったが、経済的観点から事業者の撤退が続いているとも言及した。新たな提案として、次期もろバスの運行形態見直しを進めていることを明らかにした。
また、下田泰章議員は、教育問題と子育て環境についても質問を行った。下田氏は、学校教育の充実や子育て世代への支援が求められている中、学校給食費を巡る課題を取り上げた。教育長や関係課長らは、今後の給食費無償化について町の財政支援を考慮しつつ対応する意向を示した。特に、昨年度の学校給食費無償化の効果が認められ、財政状況を勘案しながらも、この方向性を維持する必要性を強調した。
もう一つの重要なテーマは、毛呂山町の公共交通の在り方だった。もろバスの運運行改善に向けた取り組みや、夜間運行の可能性についても質問があり、公共交通活性化協議会と連携することで住民の多様なニーズに対応する姿勢が求められた。両議員の質疑を通じて、毛呂山町の将来に向けた具体的な施策と住民生活向上のための取り組みが一層求められることが確認された。
この日の会議では、町政の透明性と市民との信頼関係の構築が大きなテーマとなった。議員たちはこれからの町の方向性についてより具体的な答弁を求め、町政の進展を願っていた。今後、毛呂山町が直面する課題解決に向けた取り組みが注目される。