令和3年3月の定例会において、熊谷市の財政や新型コロナウイルス対策について様々な質問が行われた。その中でも主要なテーマは熊谷市の財政状況と令和3年度の当初予算案に関するものである。
白根佳典議員(1番)は、熊谷市の財政についての質問を行い、新型コロナウイルス感染症の影響による財政緊急事態を受けて、自治体としての危機対応をどのように行うべきか指摘した。特に、感染症対策と共に、地域経済の回復を図る支援施策を求め、事業の削減により実現可能な対策を提言した。これに対し、富岡清市長は、地域経済を支えるための独自対策を進めていることを強調し、特に「STOPコロナ」支援事業の実施状況について言及した。
次に、山下一男議員(6番)は救急出動体制の強化を訴えた。毎年9,000回を超える救急出動の現状を鑑みて、厳格な対応が必要であると強調し、救急車の配備状況と隊員数について詳しい情報を求めた。消防長からは、現状の救急出動件数や隊員の救急救命士資格についての説明があり、質の高い救急体制を維持するための必要性が示された。特に注目されたのは、救急隊員による救命処置において、全ての車両が高規格救急車であることが明らかになり、市民の安心を確保するための努力が評価された。
最後に、野澤久夫議員(19番)は、熊谷市における各種計画の取扱いとその透明性について質問した。特にパブリックコメントの実施状況を分析し、市民の意見が十分に反映されているのかという懸念を示した。市長は市民参加の重要性を強調し、意見聴取のプロセスが必要であると認めた。さらに、熊谷市が進める新しい熊谷市づくりやスマートシティ構想の進捗も確認され、地域活性化に向けた取り組みが期待されている。