令和3年6月10日の北本市議会では、一般質問が行われ、特に新型コロナウイルスに関連する市民の声が多く取り上げられた。
質問の冒頭、保角美代議員が新型コロナウイルスワクチン接種の現状について言及した。市内には予約を希望する高齢者が多数いるが、予約が難航している現状があることを指摘した。接種が始まった5月19日からの予約状況について、古海健康推進部長は初日に5,654件の受付があったと報告した。実際に、接種が行われた高齢者の中には、予約枠が埋まってしまったために接種できなかった方々も多いという。
次に、コロナ禍における女性の負担軽減に関する要望も提起された。保角議員は特に「生理の貧困」問題に触れ、必要な生理用品を購入できない世帯が増えている現状を訴えた。これに対し田中正昭総務部長は、市役所での生理用品無償配布を実施していることを説明したが、さらに支援の拡充が求められた。
また、子ども権利擁護の視点から、子どもアドボカシーの具体的な実施状況についても質問が出た。今関議員は、子どもたちの権利を尊重する施策が少人数の声に対して十分でない場合があることを指摘した。教育長は、児童福祉法に基づき、子どもたちの意見が尊重されるための活動を強化する意向を示した。
加えて、脱炭素社会の実現に向けた北本市の取り組みも議題に上った。保角議員が、2050年を見据えた具体的な行動計画の必要性を訴えたのに対し、大島市民経済部長は国の法律改正が影響するとの認識を示し、調査研究を継続していく考えを述べた。
議会ではこれらの他にも、ワクチン接種後の副反応情報が求められ、古海健康推進部長は、県外での接種における副反応報告は1件あったことを説明し、充実した情報提供を心掛ける姿勢を示した。さらに、高橋伸治議員はごみ処理施設の整備について取り上げ、地域との連携を強める必要性を訴えた。