令和6年6月、上尾市議会において市政に関する一般質問が行われた。新藤孝子議員は、市民を犯罪から守るための支援体制について強調した。特に、埼玉県内での特殊詐欺被害の深刻な現状を踏まえ、警察との連携を求めた。特に最近では、特殊詐欺が多発していることから、対策の強化が求められている。
新藤議員は、上尾市の特殊詐欺被害額が令和5年には約1億7千万円に達したことを示し、窃盗被害も前年比で増加しているとのデータを紹介した。これに対して、市民生活部長の畑健二氏は資料を基に、現在の被害状況を詳しく説明し、特殊詐欺対策機能付き電話機の購入費用の補助についても触れた。実際、補助は44件の利用があり、特殊詐欺防止の一環として機能していることが分かる。
次に、ヤングケアラーに対する市の支援についても触れられた。青年たちが家庭の事情で重い責任を担わざるを得ない現状がある中、支援の必要性が叫ばれている。令和4年度に行われた実態調査により、依然として多くの若者が困難を抱えていることが明らかになった。その支援の一環として、出前講座が開催されているが、より効果的な手法を模索することが求められる。
同様に、行政が実施する公共交通施策の見直しについての質問もあった。矢口豊人議員が提起したこの問題は、地域公共交通が果たす役割の重要性を改めて浮き彫りにした。現在、上尾市では循環バスの見直しが進められ、市民の利便性と持続可能性を高める施策が考慮されているが、さらなる協議と調整が必要であるとのこと。
市街化調整区域における障害者福祉施設の整備については、上尾市としては既存の社会福祉法人に優先順位を置く形で運営体制を整える方針が示された。この議論の中で、施設の数や入所希望者のニーズが高まっていることが強調された。将来的な法的整備に向けた課題についても、国との連携を強化していく重要性が訴えられた。
学童保育の必要性の見直しも重要なポイントとして取り上げられた。矢口議員は、今後の学童施設の整備方針見直しにあたり、子どもの多様なニーズに応える柔軟な計画が求められることを指摘した。特に、放課後子ども教室などとの連携を強化し、地域の特性に応じた居場所づくりを進めていく姿勢が重要であるとのことだ。
こうして、令和6年上尾市議会は各議員の提案を通じて、市民へのさらなる理解促進と支援体制の強化を確認する場となった。市政における課題が明らかにされ、次世代育成や地域社会の健全な発展に向けた具体的な施策を検討する必要が強調された。これからの上尾市の動きに、多くの市民が注目している。