令和5年度の北本市において、全体予算234億6,500万円が上程され、すべての議案に対する質疑が行われた。予算は過去3年間の施策を基にしたものであり、特に市民税収入の見込みに関して注目が集まった。
黒澤健一議員(20番)は、予算の根拠として市税収入が前年より3.1%増加する88億3,912万円と示されている一方、人口減少が財政状況に与える影響について厳しい見解を求めた。これに対して三宮幸雄市長は、新型コロナウイルス影響下でもフル回転している経済を背景に、「給与所得や法人経営の利益増を見込んでいる」と述べた。
さらに、教育や福祉予算の部分、特に高齢者支援においては地方交付税が11.7%の大規模増となっており、全体的に必要な支援策が展開されていると強調した。ただし、民生費は前年より3億971万4,000円減少し、コロナの影響があり、支出面でのバランスが問われる場面も見られた。
また、黒澤議員は「新年度予算は市が目指すまちづくりに対する期待感を反映している」とし、特にSDGs推進体制やゼロカーボン対策の予算の実情を取り上げ、「環境目標が市政の中で最も重要な施策の一環として捉えられている」と述べ、SDGsへの取り組みの具体策を求めた。市長は、総合振興計画の中にSDGsが組み込まれており、これを具現化するために地域と連携しながら前進すると応じた。