令和元年第2回北本市議会定例会で行われた市政に対する一般質問では、様々な問題が取り上げられ、特に黒澤健一議員の質問が注目を集めた。
黒澤議員は、三宮幸雄市長が選挙公報で「非常事態宣言」の文言を使用したことに疑問を呈した。彼は、非常事態宣言の定義を挙げ、「北本市の社会秩序は重大な危機に直面しているとは思えない」と強調した。また、非常事態宣言の根拠やその目的についても、具体的な回答を求めた。
市長は、北本市の人口減少や高齢化の進行について危機感を持っていると答えた。この答弁に対し、黒澤議員は、「市長の懸念する危機的状況は、実際にどのように市民に影響を与えるのか。また、どのように市民の行動を変えさせようとしているのか」と続けた。
次に議題となったのは、第五次北本市総合振興計画の見直しについて。黒澤議員は、総合振興計画の見直しが新たな計画の策定を含むものと解釈され、過去の議会との整合性を喪失しかねないと警鐘を鳴らした。市長はこの計画の見直しは、地域の特性やニーズに応じたものであるとし、「強みを再検証し、持続可能なまちづくりを進めることが重要だ」と述べた。
さらに、今年度の新ごみ処理施設の建設について、市長は「計画の見直しを行い、関係市との協議に基づいて進める必要がある」と語った。議会内でもこの施設建設に対する意見は分かれており、特に行田市との意見の相違が注目されている。
また、セーフコミュニティの国際認証の継続についても、黒澤議員はその重要性を訴えつつ、過去の取り組みや成果を評価した。市長は、安心・安全なまちづくりの一環として、今後もセーフコミュニティの活動を進めていく意思を示した。最後に、公共保育所の再編に関する基本方針や学校給食センターの跡地利用についても質問があり、重要な課題として議論された。
黒澤議員の質問は、これらのテーマを通じて北本市の将来に向けたビジョンを形成するうえで重要なものであった。市長もその答弁を通じ、地域の特性を踏まえた柔軟な施策による対応の必要性を強く意識していることが伺えた。