令和2年9月15日、北本市議会の第3回定例会において、新型コロナウイルス感染症対策及びICTの推進に関する一般質問が行われた。冒頭、高橋伸治議員はコロナ禍において市民の健康を守るための施策を問うとともに、デジタル庁設立に伴う行政のICTやDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の重要性を強調した。
高橋議員は、「この短期間で、特に行政領域におけるICT化が遅れている点を解決しなければならない」と述べ、現状のICT環境を具体的に問い質した。新井信弘行政経営部長は、北本市もICT推進に向けて取り組んでおり、昨年度からRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やAI-OCR(光学文字認識)の活用を進めていると説明した。
次に、議員は市民参画や審議会等の関与の重要性についても言及した。高橋議員は、「市民の意見を反映するため、審議会を活性化させる必要がある」と提案し、各種のいわゆる窓口での連携を促した。
また、議員は人口戦略に関しても言及した。直近のデータによると、本市の人口は減少傾向にあり、特に移住したくても出来ない市民がいる現状がある。新井部長は、「今後の展望として、リモートワークの一般化が進むことを予測している」と述べ、この流れをチャンスと捉えた。また、現在の基準で人口維持を目指すのではなく、地域で魅力ある場所を作ることが重要とした。
その後、保角美代議員が新型コロナウイルス関連対策について質問、市の公共施設における新しい生活様式の対応や、オンライン相談の活用などを問うた。江口誠福祉部長は、「児童館では事前予約制のもとで人数制限を設けているが、今後の状況に応じて対応を進める」と回答した。特にこどもたちの心身の健康が重要視され、保角議員は不登校児童の心のケアについても言及した。
また、児童虐待防止については、法律の改正が行われたことから条例の制定を求めた。江口福祉部長は「現在の法律を遵守することが前提だが、必要に応じて条例の制定についても検討していきたい」と考えを示した。
今後の地域づくりに関し、議員らは地域共生社会の実現に向けた取組みの重要性を訴え、行政が市民の生活に密接に関わる支援体制を構築する必要があることを強調した。特に、支援対象者との対話を重視し、被支援者の声を尊重することが求められている。市長のもとで、包括的支援体制の構築が期待される中、市の施策が地域社会に実を結ぶことに向けて、迅速な行動が求められる。