令和5年6月22日に開催された北本市議会では、議員による市政への一般質問が行われ、その中で高齢化社会への対応策や公共交通網の再編、墓地の整備に関する重要な議論が展開された。
まず、工藤日出夫議員は、少子・高齢化問題について、市長に公共交通網の再編が必要であるとの見解を求めた。工藤議員は、高齢者や若者の移動手段が変化する中、住民の行動動機に応じた交通網の再構築が急務であると強調した。
市長の三宮幸雄氏は、現在は民間主体のバス運行とデマンドバスによるサービスが提供されており、今後は地域公共交通会議において生活者のニーズを反映していく考えを示した。さらに、工藤議員は公共交通の利便性が高齢者の社会参加や交流を促進するため不可欠であることを訴え、具体的な行動を求めた。
次に、公共施設の再編に絡めて、工藤議員は公設民営方式による合葬型ネットの整備についても言及した。市長は、地域に合った墓地管理の必要性を認識しており、条例改正に向けた調査研究も続けていく考えを示した。
続いて、教育環境の改善についても議論が行われた。工藤議員は、子供たちが幸せに感じられる学校環境を整備することが重要であるとの見解を表明し、教育長に子供の幸せを重視した教育行政を強く求めた。教育長は、子供ファーストの視点から教育の質」向上に努めているとの返答を行った。
さらに、諏訪幸男議員からは、北本市の縄文遺跡と新駅との連携についての質問があった。市長は、デーノタメ遺跡の国指定史跡化に向けた取り組みについて詳述し、地域活性化に繋がる重要なステップであると説明した。
市長は、新駅設置についても慎重に検討しているものの、過去の住民投票結果が影響していることもあり、住民の支持が前提であると述べた。このように、議会では市民の声を受け止め、持続可能な地域社会の形成に向けた議論が続いている。