令和2年12月21日、上尾市議会は定例会を開催した。市長から提出された議案27件と、議員提出の議案9件及び請願1件が議題となった。審議の中で、各常任委員長が報告を行い、その後質疑及び討論が行われた。
特に注目されたのは市長提出の議案第98号である「令和2年度上尾市一般会計補正予算(第9号)」である。総務常任委員会の新道龍一議員は、補正予算が全会一致で可決されたことを報告した。同議案では、高齢者に対するPCR検査費用の助成が重要なポイントとして挙げられ、検査費用が国の補助金を活用し、自己負担が5,000円で受けられることが説明された。
しかし、秋山かほる議員はこの補助制度に反対の発言をし、新型コロナウイルス感染の状況が厳しい中での支援の在り方を問うた。彼女は他市の無料検査の実績を挙げ、「多くの市民が安心して医療機関を利用できるよう、より充実した対応が求められる」と訴えた。
また、「SDGsの実現に向けた市政を推進する」とする請願第5号も全会一致で採択された。この請願は、「誰一人取り残さない」を基本理念に、全ての市民を対象とした支援の重要性を示している。
議員提出の議案では、議第20号、性犯罪に関する刑法改正を求める意見書が可決された。この意見書は、性犯罪に対する厳しい対応を求めるものであり、被害者の視点を大切にした法改正が期待される。
さらに、議第22号については、日本学術会議会員候補の任命拒否を撤回し、全員の任命を求める意見書が否決された。これに対しては多くの議員が関心を寄せており、政府の説明責任が求められる状況が浮かび上がった。
議会はこの日のうちに全ての議案を審議し、その結果、28件の議案すべてを可決または否決した。最後に、畠山市長は今回の議会への感謝を述べ、今後の市政運営に真摯に向き合う意義を強調した。