令和6年6月、上尾市議会が開催され、市政に対する一般質問が行われた。議員たちは、防災対策、介護、医療など多岐にわたるテーマについて議論を交わした。
特に注目を集めたのは、大規模災害への対策についての質疑である。議員の篠原 文子氏は、能登半島大地震や首都直下地震の危険に対する上尾市の対策を問いかけた。彼女は、事前の備えに関する市民への防災啓発の重要性を強調した。また、教師などからの防災知識の普及にも言及し、防災ガイドブックの活用を促進すべきだと提案した。これに応じて、関根 郁夫総務部長は、市が防災啓発の取り組みとして全戸配布したガイドブックの有効性を説明しつつ、さらなる周知が必要であるとの見解を示した。
次に、避難所開設に関する質疑が行われた。議員からは、避難所の運営に必要な職員数や訓練の実施状況、食料備蓄のアレルギー対応に関する質問が出された。さらに、避難所におけるLGBTQや外国人への対応についても議論され、地域の多様性に配慮した体制が求められた。関根部長は、高齢者や障がい者支援の名簿作成と連携を強調した。
一方、住宅耐震化の促進策についても質疑があり、古い基準で建設された住宅の耐震性の低さが指摘された。須田 均都市整備部長は、耐震化に向けた補助金の活用を奨励し、耐震診断の申請状況について明らかにした。
さらに、災害時の市職員の健康管理についても言及され、市長の畠山 稔氏が職員の健康維持に向けた取り組みを強調した。団体やボランティアと連携したサポートが求められ、地域支援の重要性について共有される場面もあった。
会議の最後には、議員たちは、平時からの財政管理体制の見直しと将来的な防災対策の充実に期待感を持って締めくくった。議会は、今後も市民の安全を守るために地域特性を踏まえた対策を進めていく考えを示し、市民に向けた情報発信の重要性も訴えた。