令和4年9月に開催された上尾市議会定例会では、主要な3つの案件が審議された。市長提出議案第61号、議案第72号及び議案第73号はすべて賛成多数で可決され、特に消防の広域化に関する議案に対しては、多くの議員から詳細な質疑がなされた。
まず、市長提出議案について、新道龍一議員が令和4年度の一般会計補正予算に関連して質疑を行った。具体的には、道路改良事業に関する用地買収の対象者数を尋ねたところ、都市整備部長の小林克哉氏は「21名」との回答をし、事業概要については領家地区の大型物流倉庫に伴う歩道設置の必要性を強調した。
次に、樋口敦議員は、消防事務委託に関する議案第72号について詳細な質疑を行い、現在の規約に関連する条例の一覧を求めた。消防長の関口一夫氏は、上尾市と伊奈町間での消防事務委託について法的基盤を確保しつつ、経費や負担割合の根拠についても答弁し、透明性の重要性を指摘した。
また、委員長報告では、決算特別委員会の設置及び委員の選任が確認され、特に消防関連の委託事業において、経費負担やサービスの効率性に関する質疑が活発に行われた。田中一崇議員は、消防広域化に伴う経費発生の背景について質問し、委員会の全会一致での可決を確認した。
一方で、議員提出議案第14号に関する質疑も注目されたが、安倍晋三元首相の「国葬」に反対する意見書は、少数賛成の結果、否決された。この点については、提出した戸口佐一議員が強調した国費の無駄遣いや、個々の国民に対する弔意の強制的表現に疑問を呈したが、多数派の反対により原案は認められなかった。
以上のように、9月の定例会では市政の重要な議題が扱われ、市長提出の議案に次ぐ形で議員提出の課題も浮き彫りになり、今後の市議会運営における議論の活性化が期待される。次回の本会議は9月20日に予定されており、一般質問が行われるとのことだ。