上尾市議会の令和4年12月定例会では、若年がん患者のターミナル在宅療養支援など重要な議題が討議された。特に井上智則議員は、若年がん患者に対する支援の充実を強く訴えた。
井上議員は、在宅ターミナルケアを受けるための支援が十分でない現状を指摘した。特にAYA世代、すなわち15歳から39歳の若者ががんと闘う中でのサポートの欠如が問題視された。
「埼玉県で妊孕性温存療法の助成が行われているが、実際には入院後の長期的な医療費を賄っている制度が不十分だ」と井上議員は述べ、さらなる支援強化を求めた。健康福祉部の石川克美部長は、現行の公的支援について言及し、費用の助成制度などを紹介したが、十分ではないとの認識を示した。
次に行われた質疑の中で、道下文男議員は、若年がん患者の経済的な負担増加と医療サービスの不足について言及し、特に39歳以下のがん患者が全額自己負担である現状に問題意識を抱くと述べた。石川部長は、今後、医療や介護サービスの充実を進める必要があるとの考えを強調した。
他にも、1人1台端末を活用した教育の充実や、ディスレクシアなど特別な支援が必要な子ども達へのサポートが重要な課題とされ、関係者の認識が改めて確認された。教育長の西倉剛氏は、今後も地域と連携しながら進めていく意向を示し、市民の声を反映させることに努めるとの発言があった。
また、若年がん患者のターミナル在宅療養支援を求める請願が全会一致で採択された点も報告され、今後の改善への期待が高まる中、地方公共団体としても市民には多角的な視点でのサービス向上が求められていることが改めて認識される会議であった。
このように、議会では多様な議題が出され、住民の福祉向上に向けた真剣な討議が続けられた。市民の健康と生活の質を向上させるために、今後も様々な施策が期待される。