上尾市議会は令和3年6月定例会を開催し、市政に対する一般質問が行われた。議員たちは新型感染症ワクチン接種、スポーツ科学拠点施設、地域公共交通の契約など多岐にわたるテーマについて質問を繰り広げた。
特に、13番の矢口豊人議員は新型感染症ワクチン接種の進捗状況と今後の方針について質疑を行い、65歳以上の高齢者への接種状況について質問した。接種状況に関して、健康福祉部長の石川克美氏は、「6月14日現在、1回目接種済み人数は36,344人、接種率は55%。2回目接種済み人数は822人、接種率は1.2%である」と報告した。加えて、医療従事者の接種が7月3日で終了し、高齢者人口の約8割が7月末までに接種を終える見込みであると述べた。
矢口議員は、接種率が若干遅れていることについて懸念を示し、「副反応の頻度が高く不安を感じる方も多い」とし、市としてしっかりと広報する必要性を強調した。同じく、予約が取りづらい現状についても数多くの市民から不満の声が寄せられたことに触れ、一刻も早く市民に現状を伝えるべきだと主張した。
また、スポーツ科学拠点施設の誘致についても関心が集まった。埼玉県が推進する屋内50メートルプールの建設候補地が川口市に決定し、スポーツ科学拠点施設が上尾市となったことについて、市長の畠山稔氏は「このすばらしいスポーツ施設の利活用を通じ、競技力向上と市民の健康増進に努める」と述べた。
さらに、地域公共交通については、ぐるっとくん市内巡回バスの運行業務が全体で1億8,000万円の契約額で契約され、過去より506万円の増額になった点も議論された。運行経費の見直しが必要とされる一方で、新たな契約方式の検討が進められ、効率的な運営に向けた対策が立案される予定である。
集中的に行われた質問を通じて、新型コロナウイルスワクチン接種やスポーツ科学拠点施設、地域公共交通の契約に関する関心が高まっていることが確認された。市民の安全と健康の維持、そして地域経済の活性化が強く求められる中、市議会はこれらの課題解決に向けた政策の推進を呼び掛けている。今後、市民への迅速かつ的確な情報発信が一層重要視されることとなるだろう。