令和5年6月14日、上尾市議会は定例会を開催し、さまざまな市政に関連した一般質問が行われた。特に目を引いたのは、前島るり議員による治療後の免疫低下に関する質問であった。彼女は、免疫が低下したお子さんや若者への支援についての市の取り組みを問うた。骨髄移植後には再接種が必要となる場合もあるため、上尾市での予防接種の補助についての質問に対し、長島徹健康福祉部長は、現時点では補助の実施はないとの回答をした。さらに前島議員は、近隣の市で補助を実施している例を挙げ、今後の対応を求めた。
次に、前島議員は東小学校周辺に新しく開通した道路の安全対策についても質問。市は歩行者の安全を考慮し、横断歩道設置の要望に対して後日調査の結果を基に判断すると説明した。しかし現在の信号設置は難しいとのことで、市民からの意見を受け、安全対策の充実を求める声が上がった。さらに、地域住民からも新しい道路の開通に対する意見が寄せられているため、これについても慎重な対応が求められている。
また、留学生や大学との連携についても話題となった。大学との包括連携協定を結ぶことで、市政に若い視点を取り入れることができると期待されている。具体的には、聖学院大学との連携で、地域の課題に対する助言や協力を進める方針である。その一環として、学生の参加による地域活性化が図られている。
さらに、上尾市では、ヤングケアラーへの支援が新たに動き始めており、岡野子ども未来部長は、資格を持つ養護教諭や専門家によって多様な支援が行われると述べた。特にウェブ上での相談窓口が重要視されており、より良い居場所を確保するための施策が進められようとしている。また、担当課は新たな教育プログラムや支援体制についても積極的に構築する姿勢を示した。
加えて、アライグマを始めとした野生動物問題に関しても議論が交わされた。獣害対策の一環として捕獲おりの借用制度の拡充が必要との意見が出ており、環境経済部長は市民ニーズに応じた対策を検討する意向を表明した。さらに公園の設計や遊具整備に関しても、地域コミュニティからの要望が出ており、これに対する真摯な対応が求められている。
全体として、上尾市議会では市民からの意見や要望を踏まえた具体的施策の検討が進められており、今後の対応に注目が集まる。市民にとっての安全で快適な生活の実現に向け、議員たちが真摯に議論を重ねる姿勢が印象的であった。