令和3年3月の上尾市議会は、市長提出議案に対する質疑を中心に行われた。
議案の中で注目されるのが、上尾市幼児教育推進協議会条例の制定である。この新しい協議会は、幼児教育の重要性を認識し、幼稚園や保育所との連携を深めることを目指している。瀧沢 葉子学校教育部長は、「市民の要望を受け、幼児教育の充実が求められている」と述べた。
また、上平地区複合施設の設計に関連する委託料が、検討委員会の承認を得ずに計上されたことは一部議員から疑問視された。新藤 孝子議員は「検討委員会の意見を尊重しない形での予算計上は法的に問題がないのか」と質疑を行ったが、小田川 行政経営部長は、「これは違法ではなく、予算計上は必要な措置である」と答弁した。
生活保護についても数件の質問が上がり、生活保護受給世帯数の増加が懸念される中、市の施策が問われる。現在、生活保護を受けている世帯数は1,902世帯で、今後の管理体制やケースワーカーの増員が必要とされることが強調された。石川 克美健康福祉部長は、増員計画が進行中であるとし、「担当者の一人当たりの件数を減らし、より質の高い支援が可能になる」と述べた。
さらに、上尾市の新型コロナウイルス対策に関連して、財政運営に対する質問も続出。新たに設計された予算の中には、国からの交付金が含まれるが、それに依存せず持続可能な経営を求められる中、今後の財政立て直し策が求められることとなった。