令和5年12月20日、泉佐野市議会の定例会が行われ、さまざまな議題が審議された。この中で特に注目を集めたのは、教育に関する一般質問であった。中藤大助議員は、ICTを活用した教育の現状と従来の教育方法との使い分けについて質問した。
教育部長の高橋和也氏は、ICT授業の進展について賛同する一方で、過去の教育方法の重要性を強調した。調査によると、日本の生徒におけるICTの活用度は低いが、これを解消すべく、GIGAスクール構想が進行中である。令和3年には全ての小・中学校に1人1台の端末が普及したが、教育現場でのICT活用は未だに改善の余地がある。
また、読書教育についても意見が交わされた。中藤議員は、電子端末と紙の書籍の利用について意見を述べ、教育長の奥真弥氏も読書体験の重要性を認識するとの見解を示す。また、筆圧や手先の器用さに関する問題も提起され、教育現場での対応策が必要であるとされている。
他方、地域福祉や支援についても多くの議論がなされた。松村正秀議員は、高額療養費制度の申請方法の簡素化について言及し、特に申請の手間を減少させ、市民サービス向上を図る必要があるとの考えを示した。市長は、既存の制度に加え、今後の簡素化についても前向きであるとの返答を行った。
この他にも、コミュニティバスの運行や地域交通の課題も取り上げられた。交通弱者の移動支援を目的とした多様な交通手段の検討が要望されており、特に小型ワゴンや地域NPOを活用した新たな交通サービスの導入が提案された。市としても、こうした提案を踏まえ、地域の連携による移動手段の確保に努める意向が示された。
また、市では障害者就労の推進を図る施策を実施しており、社会資源を活用しつつ、雇用機会を広げる努力がなされている。特に、地域の特性に応じた支援策の拡充が期待されるとして、地域経済の活性化とともに難しい課題に取り組む重要性が強調された。
今後も、泉佐野市議会は市民の声に耳を傾け、教育や福祉、地域づくりにおいて具体的な施策を推進することが求められる。