令和3年9月、阪南市議会定例会が開催され、市の様々な施策について熱心な議論が交わされた。特に、新型コロナウイルス感染症に関連する問題は、公衆の安全に直結する重要なテーマとして取り上げられた。
市長の水野謙二氏は、感染拡大を抑制するための様々な手段を講じていることを強調した。具体的には、ワクチン接種の推進があり、6月までの高齢者の接種率は84.5%に達していると報告された。他方で、12歳から64歳までのワクチン接種率は41.8%に留まり、さらなる対策が必要と認識されている。
また、PCR検査の拡大の必要性についても意見が出た。泉佐野市が実施している無症状者の為の無料検査について取上げられ、阪南市でも同様の施策を検討すべきとの声が上がった。市長は現時点での無料検査の実施は難しいとの見解を示すが、今後の感染傾向次第では、検討の余地があると述べた。
子ども医療費助成制度に関する議論では、多くの自治体が対象年齢を18歳に引き上げている中で、阪南市の現行制度維持の意向が示された。議員は、現状の経済状況を考慮し、医療費助成の拡充が求められると強調したが、市長は厳しい財政状況を理由に現行制度の維持を優先する姿勢を崩さなかった。
さらに、阪南市の老朽化した公共施設のリニューアルや遊休地の有効活用の重要性も再度確認された。衰退する地域経済を支えるためにも、こうした施設を適切に管理し、新たな財源を確保することが求められている。
市の財政運営および資産利活用に関しては、特に慎重さが求められ、施設や土地をどう活用して持続的な財政運営を実現するかが今後の大きな課題となる。市としては、財政非常事態を打破するための不退転の決意が望まれている。