令和元年の阪南市議会第3回定例会において、官民連携による持続可能な社会の実現や子育て支援策、そして世界遺産登録の意義が議論された。
特に注目されたのは、子育て拠点再構築方針である。市長の水野謙二氏は、現行の老人福祉センターを地域共生型拠点として再構築し、より多くの高齢者が集えるようにする方策に意欲を示した。このセンターには介護予防教室を中心に高齢者福祉を支える機能を追加し、地域住民が集まり交流できる拠点となることを目指すと語った。
また、阪南市が新たに導入予定の子ども医療費助成についても言及された。現在、助成は中学校卒業年度末までとなっているが、引き上げを求める声が上がっており、市は国や大阪府に制度の拡充を要望するとした。
河合眞由美議員は、産休・育休期間中の保育時間認定に関して、市民の意見を踏まえた柔軟な対応を求めた。現行では産休の際は標準時間、育休は短時間とされているが、体調に応じて標準時間の利用が可能であるとの回答があった。また、10月から始まる幼児教育無償化の内容についても、給食費は無償化の対象外であると確認された。市長は、今後の寄附受入額の確保や事業の担い手を育成することを視野に入れ、更なる施策の見直しを図る必要性を強調した。
一方、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録が地元経済に与える影響にも触れられた。市は泉州地域全体の観光誘致を目指し、KIX泉州ツーリズムビューローに参加していることを強調。国際観光客の誘致を促進し、市全体の活性化に貢献していく方針であると報告された。
今後の施策については、広域の観光資源開発や地域住民の意見を取り入れた取り組みなど、柔軟かつ持続的な施策が求められている。市側は、住民の意見をしっかり受け止め、地域と共に成長できる社会づくりを目指して、計画を進めていく姿勢を示した。