令和2年9月に開かれた浦添市議会の定例会では、コロナ禍における福祉や教育関連の支援について多くの議員が発言した。
特に注目されたのは當間左知子議員が行った質問で、浦添市消防本部の救急出動遅れ問題について詳細な説明が求められた。この出動遅延は、119番通報時の対応ミスによるもので、救急車が出動するのが遅れた結果、患者が死亡する事態となった。
嘉味田朝消防長は、出動遅れの原因は救急隊員が発熱情報をもとに新型コロナウイルス感染症を疑い、出動を控えたことを挙げた。言及されたのは、119番受信時の基本的な手順を十分に行わなかったことが原因だった。報告の中で消防当局は、「今後、基本的な手順の徹底を行う」と述べ、再発防止策を講じる意向を示した。
また新型コロナウイルス感染症の影響による教育現場の対応も大きな話題となった。教育長の當間正和氏は、臨時休業による学びの遅れに対する対策や、児童生徒への心理的影響を軽減するための施策について説明し、心のケアの重要性を強調した。加えて、オンライン教育の環境整備に関しても言及され、GIGAスクール構想の早期進行を追求していることが語られた。
一方で、軍港問題においては、市長松本哲治氏が県や那覇市との合意について言及。北側への軍港移設を容認したとう意図が見受けられた。これに対しては、議員から強い反発もあり、軍港無条件返還を求める声も上がった。議員は、「軍港を移設した場合の経済発展はどうなるのか」と市長の見解を問いただし、さらに民港部分の協議の重要性を訴えた。
また、食事券の配布についても議論が深まった。新型コロナウイルス感染症の影響で市民生活が困難になる中、医療従事者や学童などに向けた支援が行われているが、参加店舗が居酒屋を含む点に対して市民から懸念の声が上がった。市は「このチケットは家族単位で使用するものであり、注意喚起を強化していく」との見解を示した。
このように、様々な問題に取り組む中、議員たちは市長に対し透明性ある説明責任や、市民との対話を重視するよう求めている。今後の浦添市がどのように市民の信頼を取り戻していくのかが、大きな課題となることが予想される。