浦添市議会は令和5年9月27日に定例会を開会した。この日に議題として取り上げられた中で、特に注目を集めたのが市長松本哲治氏が関与したTikTok動画の件である。
この動画は市の公式アカウントで公開され、多くの市民から批判を受け、「女性蔑視やセクハラに当たる」との報道がなされた。松本市長は当初、この動画は市の特徴や新たに開店したリゾートホテルのPRを目的として制作されたとし、「ユーモアに富んだ内容」と位置付ける意図があったと説明した。
しかし、市長自らが「女性とホテルに入っていく」という表現を用いたことは、視聴者に不快感や恐怖を与える結果となったことを松本市長は認めた。市長は「性及びジェンダーに関する認識不足を痛感した」と謝罪し、今後は情報発信において誰も傷つけることのないよう配慮することを約束した。
参加した議員からは「市民が不快に感じる反応があったにもかかわらず、何の声もかけられなかった」「次から、どのような形で情報発信をするか検討する必要がある」といった意見が出された。議会内では、松本市長に対する厳しい問いかけが相次ぎ、市長のコミュニケーション能力や判断力についても疑問の声が上がった。
また、会議の中では、今後も同様の問題が生じないように職場環境の改善を求める意見が多く挙がったことに対し、松本市長は「皆さんの意見を受け止め、もう一度考え方を改め、職場環境や雰囲気を良くしていく必要がある」と述べた。
このような中、議会はハラスメント調査や市政運営に関する調査特別委員会を設置する方針を示し、問題の根本的な原因究明と再発防止を目指すことになった。松本市長に対する市民の記憶は深刻であり、言動がいかに影響を与えるかを痛感させる結果になった。今後、市はどのように再出発していくのか、その姿勢が注目される。