令和3年6月11日、浦添市議会定例会が開催され、議員らが新型コロナウイルスワクチン接種や地域行政について活発な討論を展開した。
特に、新型コロナウイルスワクチンの接種状況については、松本哲治市長が、65歳以上の高齢者を対象にした接種が順調に進んでいることを報告した。5月31日の時点で、高齢者の接種率は約8.37%に達しているという。
松本市長は「7月末までに高齢者の接種を完了する計画であり、これから12歳以上の接種へと進める」と意気込みを語った。しかし、接種の電話予約がつながりにくいとの市民からの声もあり、特に高齢者の方々のために、自治会や公民館でのサポート体制を充実させる必要があることを強調した。議員の中には、医師以外の職種、例えば歯科医師や救急救命士などもワクチン接種の担い手として活用する提案を行い、市長もこれに前向きな姿勢を示した。
また、那覇港湾施設の浦添移設についても進捗が報告された。宮城剛企画部西部開発局長は「4号岸壁周辺の埋立面積を縮小し、南側に集約する形で進める計画であり、交流・賑わい空間の整備には長期的なスケジュールが見込まれる」と協議の内容を説明した。松本市長は、この移設計画が地域にとって重要であるとし、今後の進展に期待を寄せた。
自治会支援に関する議論も活発であり、古波蔵保尚議員は「職員の自治会加入促進が地域の安定につながる」とし、市民部に対して加入率向上に向けた具体的な取り組みを求めた。市長は、この提案に賛同し、職員に対する啓蒙活動の強化を約束した。
教育・保育行政では、待機児童数の増加が問題視され、保育士の確保が喫緊の課題であることが指摘された。与那覇純子こども未来部長は、保育士の潜在能力を活かすための施策を強化し、働きやすい環境づくりに努めると述べた。
最後に、市長は参加議員に対して「地域に密着した施策を進め、市民の声に耳を傾けながら、行政として市民サービスの向上に努める」と改めて強調し、より良い地域づくりを目指す意向を示した。