令和5年9月20日に開かれた浦添市議会第206回定例会では、一般質問が行われた。議員たちは、地域の子育て支援や教育施策の現状、改善策について活発な議論を交わした。その中で、新浦添市民体育館建設にともなう市民への影響や、保育行政における待機児童問題について、具体的な数値を基にした質問が目立った。
特に、當間左知子議員は就学前教育・保育行政について多岐にわたり質問し、特に待機児童問題に焦点を当てた。令和5年9月1日現在の入所待ち児童数は534人であり、年度を通じての増加傾向が見受けられることを述べた。與那覇純子こども未来部長は、待機児童数の減少に向けた取り組みの必要性を強調し、問題解決に向けた施策を示した。その前提として、特に0歳児の待機児童が多い状況を指摘し、今後も保育士確保策を進める考えを示した。
また、教育行政についての質問では、仲間左知子議員が不登校児童生徒について詳細な分析を行い、その現状を改善するための施策を求めた。今年度の不登校児童生徒数は、全国的にも過去最多の234人に達しているというデータを挙げ、学校としての魅力的な環境づくりが求められることを指摘した。當間五弥指導部長は、教職員の負担軽減と早期の支援強化が不可欠であると答弁し、今後の方針について説明した。
さらに、子育て支援施策について論じられ、サンエー西海岸PARCOシティ内にある市直営子育て支援センターの存在感が強調された。しかし、議員からは慈善事業や運営に対する質問が多く寄せられ、特に「サポートが必要な家庭を支援するためには、地域子育て拠点事業の継続的な再構築が求められる」との意見が挙げられた。
最後に、田畑翔吾議員は、ヤングケアラーの現状と支援策についても取り上げ、今後一層の具体的な行動を求めた。市としては、これらの問題に対し統一的な姿勢での対応が必要であると認識しており、市民の意見とともに進めていく意向を示したが、具体的な計画については慎重な姿勢を貫いている。議会終了後の課題として、財政健全化や子育て支援など多様な問題が再認識された。