令和5年5月12日に開催された第208回浦添市議会臨時会では、議案第34号「令和5年度浦添市一般会計補正予算(第1号)」が審議され、可決された。
補正予算は、昨今の電力やガス、食料品の価格高騰に対応する支援策を含む。具体的には、低所得子育て世帯に対して現金給付を行う事業の充実が盛り込まれている。具体的には、子供1人あたり5万円の給付を予定している。また、住民税非課税世帯には1人あたり3万円の現金給付を行う予定がある。
財務部長の嘉味田 朝氏は、「これらの給付は喫緊の課題に対処するために必要だと考えている」と強調した。また、マイナポイントの支援事業も延長し、申込手続きのサポートを行うための窓口設置期間を9月末まで延長するための予算が配分されている。
一方で、議案第33号「教育長の任命について」は、過去に流会となった経緯があり、再度の審議となった。教育長の候補として大城 千栄美氏が提案され、副市長経験者の大城氏について、「教育委員会との調和を保ちつつ、教育行政の課題解決に寄与する」と市長の松本 哲治氏が発言した。今回の任命議案については、賛成9票、反対17票によって否決された。
亀川 雅裕議員からは、教育長の適任性について厳しい質問が寄せられた。これに対し、市長は「幅広い経験と見識を有している」と反論。しかし、教育委員会側からの意見聴取などの詳細に関する問いには「教育の独立性を考慮している」という説明のみで具体性に欠けるとの指摘が続いた。
その結果、議会内では大城氏の資格要件や経験についての疑問が呈され、教育行政に必要な要素が引き続き議論された。不透明な経緯を経て行われた今回の任命議案否決には、議員たちの意思が強く反映されたと考えられる。