令和4年第6回糸満市議会定例会が9月28日に開催され、様々な案件が審議された。特に議員提出の「高嶺小学校移転改築事業の入札不調解明のための調査特別委員会設置に関する決議」は大きな注目を集めた。過去2回の入札が不調に終わり、計画の見直しが必要となっている事態から、議会においても調査が求められた。
東京都選出の議員、金城敦議員は、入札不調の原因として明確な説明が得られていないとし、教育委員会への責任追及を強調した。「根本的な問題としては、設計書の取り扱いや入札に関する不透明性があるため、調査特別委員会を設置して詳細な調査を行う必要がある」と訴えた。また、整備に関わる市民への説明責任を果たすためには、議員としても高嶺小学校が市民にとって有益な存在となるよう貢献する姿勢が不可欠であると述べた。
一方、反対意見も見受けられた。金城幸盛議員は、総務委員会での議論が尽くされていると主張し、「特別委員会の設置は不必要である」と断言した。また、議員提出の委員会設置は、前市政の方針を否定するものとの指摘もあり、行政運営に混乱を招く可能性があると懸念した。
市長の當銘真栄市長は、物価高騰や資材の価格変動など、昨今の経済状況が入札不調の要因であることを認めつつ、適切な行政課題への対処を再確認した。そして、教育長よりこれまでの答弁として、計画の見直しが進む中、設計の透明性向上に向けた取り組みが行われているとの説明がなされた。
さらに、議案の採決が行われ、「高嶺小学校移転改築事業の入札不調解明のための調査特別委員会設置に関する決議」は否決された。議会内での反発が散見される中、議員たちは、今後の行政運営と市民の利益を念頭に、さらなる制度改善を求め活動していく姿勢を示した。