令和2年9月16日に行われた糸満市議会定例会では、一般質問が行われ、議員たちは市の重要政策へ切り込んだ内容を取り上げた。特に、「消防行政」や「庁舎管理」、「商工行政」に関する議論が目立った。
議員の金城一文氏は、消防行政について訴え、特に消防署分署の設置を求めた。彼は「市民の生命と財産を守るためには、特に西崎地区に分署を設ける必要がある」と強調した。消防長の福元毅氏はこの要望に対し、地域の救急件数の高さを指摘し、分署の必要性を認識していると述べた。また、同長は「現在、消防広域化の方向で話し合いを進める考えがある」と語り、具体的な検討を約束した。
次に、庁舎管理についての質問もあり、金城一文氏は市庁舎への不法侵入事案があったことに触れ、セキュリティ対策の強化を求めた。福元信美総務部長は、「セキュリティーの見直しを行い、出入口の管理を厳格化することで、再発防止に努める」と報告した。
商工行政に関しては、金城敏君が改革案を提案し、市内業者からの支援を要望しつつ、「地元優先発注を進めていく必要がある」と述べた。経済部長の兼城浩康氏は「市の所有する公共事業において地元企業の利用を進める」と答え、地元経済の活性化に向けた施策の重要性を再確認した。
教育行政では、教育現場の課題が取り上げられた。金城議員は特に水泳教育の実施状況を質し、専門の指導者の配置の必要性を訴えた。教育長の幸地政行氏は「水泳指導のさらなる充実に向けた施策を検討していく」と発言した。
加えて、保育行政についても議論が進み、平田徳明福祉部長は「民間の保育施設に対する支援を強化することを考えている」とし、市民との連携を強化する意向を示した。また、上原昭前市長への緊急提案として、給与削減に関する意見が発表されたが、予算削減に対する市長の答弁も注目を集めた。
最後に市長選挙での新聞報道に触れ、議員たちは市の政治運営に対する透明性確保の重要性を訴えた。議会では、市民の関心を反映した多面的な議論が展開され、各議員は市民の声を政府として反映させる意義を強調した。今後も、市の重要課題に対する議員の姿勢や市長のビジョンが求められていると言える。