令和4年12月15日に開かれた糸満市議会定例会の中で、複数の重要なテーマが扱われた。
議会では、特に「こども未来行政について」が注目されている。金城一文議員は、こども家庭庁への職員派遣について質問し、派遣の考えを市当局に求めた。市のこども未来部長である国吉丘氏は、行政側の人員不足が障壁となり、現時点で職員を派遣するのが困難と答弁した。しかし、金城議員は「職員を増員してでも派遣したほうが良いのでは」と再度の前向きな姿勢を求めた。市側は子供政策の推進に注力し、今後の人事交流を検討する方針を示した。
次に「商工行政について」として、コロナ禍の影響を受ける市内事業者の状況が浮き彫りになった。金城一文議員は、市商工会への支援強化を提言。大城司経済部長は、事業者との連携を強化し、地域経済の回復に向けて取り組む考えを示した。また、商工会への補助金の具体的な金額や利用目的についても言及があり、議会は年度ごとの継続的な支援が求められた。
治水対策としての「美々ビーチについて」の進捗も重要な話題であった。議員は指定管理者の公募が遅れている点を指摘し、迅速な対処を求めた。市は業者選定の遅れについて、県の要請事項を遵守するとし、早期の公募を進める姿勢を見せることを約束した。
「市民生活行政について」では、管理が行き届いていない市有地についての改善要望が市民から寄せられている件も扱われ、市民健康部長は修繕必要な公民館の状況を把握していると説明。さらに、修繕の優先順位をつけ、早急な対応が求められることが強調された。市としては、既に把握している危険箇所110件に関して優先順位を設定した管理を進める意向を示した。
保育行政については、長年の課題である待機児童問題が引き続き取り上げられ、多くの改善策が求められた。金城一文議員は保育士の確保策を求め、経済部長は家賃支援や就職祝い金制度の導入を視野に入れる考えを示した。
最後に、南部病院跡地についても議論され、市長は「地域福祉の拠点」を視野に入れた計画を述べる一方、進捗に関連する予算の見通しなどが懸念材料として挙がった。議員たちは今後、さまざまな施策を市民の期待に応えられるよう、協力してまいりたいという旨を表明した。