令和2年第8回糸満市議会定例会では、主に補正予算と各種行政施策が討議された。特に令和2年度糸満市一般会計補正予算(第8号)が中心議題となり、約4,287万円を追加計上するものである。
住民への影響が大きい一人親世帯の支援策が盛り込まれており、新型コロナウイルスの影響を受けた世帯へ臨時特別給付金が再支給される。実施に関して、金城悟議員は周知方法の拡充を強調し、SNSなども活用する必要性を指摘した。
また、消防行政に関する議論も活発になった。金城一文議員は、消防署の設置について問う中で、特に人口の多い地域での分署設置の必要性を主張し、人員や経費に関する試算を引き合いに出し、生きた議論が展開された。福元毅消防長は、現状では設置のための具体的な計画は未策定であるものの、実現に向けての可能性は検討中であると答えた。
動物愛護行政においては、島根辰也市民健康部長がTNR活動の実績を報告。これまでに80匹の猫が去勢手術を受けたことを伝え、引き続き活動の強化を図ると述べた。議員たちからは動物を保護するための施策も求められ、市は倫理的な観点を重視する姿勢を明言した。
一方、商工行政では、各種経営支援策の進捗状況が報告された。経済部長の兼城浩康氏は、経営発達支援計画の認定を受け、厳しい環境にある市内商業者を支援していく重要性を訴えた。
最後に、未来に向けた糸満市の発展を象徴する取り組みとして、市制施行50周年を迎えるにあたり、記念事業の開催が計画され、町民の参加を促すことが議論された。市長や各部から前向きな意見が出され、今後の具体的な実施計画に期待がかかる。