令和2年第1回糸満市議会定例会が開催され、様々な議題が取り上げられた。この中で、特に高齢者福祉と観光行政に関する議論が注目され、地域住民の生活向上に直結する内容が多く見られた。
議員の金城悟氏が喫緊の課題として、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施を挙げ、具体的な取り組みについて説明を求めた。市民健康部長の福元信美氏は、75歳以上の高齢者を対象とした健康情報の適切な継続支援が重要であるとし、令和2年度から後期高齢者医療広域連合が市町村に委託して実施すると述べた。具体的には、専門職の配置や地域の健康課題の分析を通じて、疾病予防と生活機能維持に向けて取り組むとした。
次に、金城氏は高齢者福祉の観点から、地域デイサービス事業について触れ、今後の連絡会の活動や救急医療情報キット配布事業の重要性についても啓発を呼びかけた。福祉部長の山城安子氏は、この事業は高齢者や障がい者にとって重要な支援であり、地域包括支援センターを通じて配布を行っていると説明した。
さらに、観光行政に関しても積極的な提案がなされた。金城氏は、「糸満のくらし体感施設」について、その進捗状況を市長に確認した。市長の上原昭氏は、施設の建設が進んでいる事を報告し、観光振興への期待を寄せた。特に、年間11万人の来場を見込んでおり、道の駅との差別化や体験プログラムを通じた地域の魅力を発信する計画に言及した。
一方で、ICT活用の促進についても議論が展開され、新型コロナウイルスの影響でICT教育が重要な課題になっていることが指摘された。教育長の安谷屋幸勇氏は、プログラミング教育の実施状況や今後のICT環境整備に関する意見を述べ、現状の課題に対し全力で取り組む姿勢を示した。
本議会における質疑応答を通じて、地域住民の生活を支える取り組みや新たな観光資源の開発、ICT教育の推進など、糸満市全体の成長に向けた様々な施策が進められることが期待されている。市に関わる関係者の連携を強化しながら、さらなる地域振興に繋がる議論を進めていく必要がある。