令和3年第4回糸満市議会定例会では、地域行政や農業行政の課題について多くの議論が交わされた。
特に金城敦議員は、与座地域の老朽化した糖蜜貯蔵施設について耐久性調査の要件を市に問うた。市長の當銘真栄氏は「施設は文化財としての意義を持ちつつあり、調査には予算が必要だが、現状では厳しい」と述べ、地域協議の重要性を強調した。
また、農業行政では、糸満北地区へのかんがい排水事業の進捗についても質疑が行われた。経済部長の兼城浩康氏が「経済産業省と協力しながら、除外可能面積などの見直しを検討中」と発言したことから、明確な進捗状況が求められる。さらに、与座土地改良区の水路壁崩壊や冠水問題も取り上げられ、市の緊急対応が求められた。
一方、公共インフラの管理も重要なテーマとして取り上げられた。上原勝議員は市内公園のトイレ管理や設備の老朽化の問題に言及し、「適切な維持管理が必要である」と訴えた。
新型コロナウイルス感染症に関するやり取りもあった。市民健康部長の島根辰也氏がワクチン接種政策について答弁し、接種に関する市の情報提供の不足を再認識させる状況にあった。議員の中で市民への情報伝達を強化する必要性が訴えられ、ワクチン接種の選択制についての見解も求められた。
これらの議論は、地域の安全保障や文化財保護、農業の振興、さらには市民の健康を守る施策の充実につながるものであり、今後の糸満市の行政運営に注目が集まる。議員たちは地域と農業政策について言及し続けると共に、市民の声を政策に織り込む努力を強化すべきであるとの結論を導き出した。